王子なドクターに恋をしたら
長身で栗色の髪、ブルーの瞳、日本人離れした整った顔。
僕は自分の魅力を十分に理解してるつもりだ。
幼い頃からませていた僕は、王子様みたいだと女の子に騒がれそのイメージ通りに振る舞えば意のままに彼女たちは僕に夢中になった。
狙った子は瞳を見つめ甘く微笑むだけで引き寄せられ、王子のように指先にキスをすれば誰もが僕に堕ちていく。
僕はゲームのように恋愛を楽しみ恵まれた人生を謳歌していた。
と言っても、それは子供の頃の話で、母が病に倒れたことをきっかけに医者を目指すようになってからは真面目に勉強に明け暮れる日々だった。
医大に入ると今度は僕の家柄目当てに近づく狡猾な人間が増えた。
人間の本質を見抜かなければ痛い目を見ると兄さんが言っていた。
まさにその通りで、好意を寄せる彼女たちの目当ては僕のルックスとバックにあるステイタスで僕自身を見ようとしない。
そんな彼女たちを弄び気まぐれに一夜を共にしたとしても本気になることなんてなく、一時の憂さ晴らしに自分が楽しめればそれで良かった。
「高槻くん最近会ってくれなくて寂しい」
「恋愛ごっこは飽きたんだ。男遊びがしたいなら他を当たってくれないか?」
「え?なんかイメージ違う!怖い!」
冷酷な視線を浴びせこっぴどく振った女の子は二度と僕に近付くことはなかった。
ごく一部の僕の本性を知ってる友人たちには酷い男だとよく言われ、王子の皮を被ったゲスなオオカミとまで言われたことがある。
普段は常に笑顔でいながら人を寄せ付けない処世術を身に着け外面だけはいいけど、僕は本来わがままで冷酷な人間だ。
大人になるにつれ猫を被って王子キャラを装うのも疲れた。
近寄ってくる女性たちを冷ややかにあしらいながらいつの間にか僕の恋愛観は冷め切っていた。
僕は自分の魅力を十分に理解してるつもりだ。
幼い頃からませていた僕は、王子様みたいだと女の子に騒がれそのイメージ通りに振る舞えば意のままに彼女たちは僕に夢中になった。
狙った子は瞳を見つめ甘く微笑むだけで引き寄せられ、王子のように指先にキスをすれば誰もが僕に堕ちていく。
僕はゲームのように恋愛を楽しみ恵まれた人生を謳歌していた。
と言っても、それは子供の頃の話で、母が病に倒れたことをきっかけに医者を目指すようになってからは真面目に勉強に明け暮れる日々だった。
医大に入ると今度は僕の家柄目当てに近づく狡猾な人間が増えた。
人間の本質を見抜かなければ痛い目を見ると兄さんが言っていた。
まさにその通りで、好意を寄せる彼女たちの目当ては僕のルックスとバックにあるステイタスで僕自身を見ようとしない。
そんな彼女たちを弄び気まぐれに一夜を共にしたとしても本気になることなんてなく、一時の憂さ晴らしに自分が楽しめればそれで良かった。
「高槻くん最近会ってくれなくて寂しい」
「恋愛ごっこは飽きたんだ。男遊びがしたいなら他を当たってくれないか?」
「え?なんかイメージ違う!怖い!」
冷酷な視線を浴びせこっぴどく振った女の子は二度と僕に近付くことはなかった。
ごく一部の僕の本性を知ってる友人たちには酷い男だとよく言われ、王子の皮を被ったゲスなオオカミとまで言われたことがある。
普段は常に笑顔でいながら人を寄せ付けない処世術を身に着け外面だけはいいけど、僕は本来わがままで冷酷な人間だ。
大人になるにつれ猫を被って王子キャラを装うのも疲れた。
近寄ってくる女性たちを冷ややかにあしらいながらいつの間にか僕の恋愛観は冷め切っていた。