王子なドクターに恋をしたら
千雪の家の前でレンタカーを停め外に出てなんて声を掛けようか考えていた。
何しに来たの?と白い目で見られては立ち直れそうにない。
店のシャッターが開き、千雪が僕を見て驚いて儚く名前を呼ぶしかできない僕はとんだ臆病者だった。
そんな僕に抱き着き逢いたかったと泣いてくれる千雪が嬉しくて愛しくて抱きしめる腕に力が籠る。
逢うことで寂しさも不安も全てが消え去りただただ幸せだった。
やっぱり、僕は千雪の事が好きだ、少しでも千雪を感じていたい。
短い逢瀬は僕の気持ちを確かなものにした。

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