王子なドクターに恋をしたら
ホテルに帰りベッドに腰掛け一息つく。
二人で泊まるはずだった広い部屋に虚しいため息だけが零れた。
久々の恋人との再会がこんなことになろうとは思いもよらなかった。
しかし、嘆いてもいられない。
千雪が大事に至らなかっただけでも良しとしよう。

せっかく来たんだ、一人でいる間に出来る事をしておこうと、僕は近場の不動産屋の検索を始めた。

そして次の日、いい物件を紹介されてその場で買うことに決めた。
僕一人では選ばないだろう白いプロヴァンス風のかわいい一軒家。
絶対千雪は気にいるはずだ。
でも、手続きの為に数日かかるしリフォームしたい所もあるから出来上がるまでもう少し内緒にしておこう。

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