王子なドクターに恋をしたら

心が変わる

斗浦部に通うようになり、多忙を極める東京とのんびりと穏やかに過ぎていく斗浦部との生活にも慣れてきた。
メリハリがついて逆に仕事の効率がいい。
斗浦部で待ってるちゆを思うと容赦ない黒崎さんに盾突きながらも仕事に邁進出来た。

誤算だったのは書けと言われた論文が評価され注目度が上がりドイツの病院から誘いが来ていること。他にも候補がいてまた論文を書かされ審査される。
ドイツに行ってしまったらただでさえ遠距離なのに簡単に千雪に逢いには行けなくなる。
論文を書くのを渋っていると黒崎さんに彼女がいることを勘付かれてしまった。

「お前斗浦部に女がいるんだろう?」

「…何のことですか?」

「お前が渋ってるのはその女のせいか?女にうつつを抜かしてる場合か?ドイツ行きはまたとないチャンスなんだぞ?」

誰に聞いたか知らないが調べは付いてるようでしらを切っても無駄だった。
この際だと開き直ることにした。

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