王子なドクターに恋をしたら
やってきたのはもちろん和泉くん。
白いタキシードスタイルが抜群に似合っててまさに王子さまな姿にそこにいたあたしも明日美もお母さんまでもがため息をもらした。

「ちゆ…」

「和泉くん…」

お互い言葉が出なくて見つめ合ってるとお母さんにブーケを持たされた。
今日の為に自分で作ったブーケは花冠と同じようにバラやかすみ草デルフィニウムに、ラベンダーの濃い青がアクセントになっている渾身の出来で、結婚式に自分のブーケを作る夢が叶って感無量だった。
そしてお揃いの小さなブートニアを和泉くんの胸ポケットに挿してあげる。

「ありがとう。ちゆ…最高に綺麗だ」

「和泉くんも、とっても素敵!」

徐に肩を抱いてきた和泉くんにみんないるのに!と慌てたけど、いつの間にかこの控室にはあたし達二人だけだった。

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