王子なドクターに恋をしたら
「千雪が好きだよ。最初から好きだった」

「い、和泉くん…ホントに?」

「うん…ここで初めて会った時君が気になって仕方なかった。また逢いたいと願ったら君に逢えた。僕はあの時君に恋をしたんだよ、一目惚れなんだ」

「あ、あたしも和泉くんが好き…ここで初めて会った時に恋をしたよ、和泉くんに一目惚れした」

「うん、そうだろうなと思った」

「う…」

真剣だった顔が不敵に笑う。
なんて自信満々に言うんだろう。でも当たってるから何も言えない。
和泉くんは素敵な人だ、誰でも恋に堕ちてしまう。
でも、和泉くんがあたしに恋をしたなんてなんだか信じられない。

「僕を見る千雪が可愛くて逢う度どんどん惹かれていって、僕はずっとここにはいられないのに…毎日千雪の笑顔が見たくて逢うのが止められなかった」

「うん…あたしも…」

「告白…しないまま帰ろうとも思ったけど、そうしたらもう千雪の笑顔が見られないと思うと辛い、何よりいつか千雪が他の男のものになると思うと許せなかった」

「そ…そんな、他の誰かと付き合うなんて出来ないよ…」

あたしは和泉くんとの恋を知ってしまった。
甘くて切なくて大切な想いはそう簡単に消えやしない。
あたしはもう、和泉君以外の人と恋なんて出来ないと思う。
それくらい真剣な恋してた。
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