王子なドクターに恋をしたら
間接照明だけのほの暗いベットの上で抱き合うと、二人の息遣いと触れられる感覚だけが浮き彫りになってくる。

愛撫に悦び反応してしまうあたしの身体はどうしようもなく火照り熱くて堪んない。
全てが初めてで戸惑いと恥ずかしさはあったけど、怖いとは思わなかった。

「千雪はどこを食べても甘いね」

和泉くんはそんなことを言っておへそにチュッとキスをした。
和泉くんこそ甘く蕩けるような舌先であたしをトロトロに溶かしていく。

「千雪…僕の全てを受け取って」

「はあっ…いっ、和泉くん…」

身体を起こした和泉くんが耳元で囁き耳たぶを甘噛みする。
縋るように和泉くんの首に手を掛けるとゆっくりと濃厚なキスを与えられ、熱い吐息を吐きだした和泉くんがぐっとあたしの腰を引き寄せた。

「い…んっ…」

引きつるような痛みに歯を食いしばって耐えていると労わるように頭を撫でられ何度もキスを落された。

「千雪、ほら、僕らもう一つだよ」

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