王子なドクターに恋をしたら
「あの、実はね、彼がさ、そろそろ結婚、しようかって…」

「えっ!?」

「あっ!ちゃんとしたプロポーズはまだなんだけど!あたしとの結婚考えてるからそのつもりでって、言われたの」

「うそっ!うわっ!おめでとう!良かったじゃん明日美!今の彼氏とずっと一緒に居たいって言ってたもんね。なんだ、おめでたい話じゃない!こんなハッピーな話なのになんであたしが落ち込むのよ」

「え…へへへ…いやだって、千雪は逢いたくても逢えないのに、あたしだけ幸せ浸ってたらやっぱりいやかな~と思ってさ…」

照れた明日美は顔を赤らめ小さい声で言い訳する。
明日美が羨ましいなんて言ってしまったあたしが悪いのにそんな気を遣わせてしまって申し訳ない。

「ご、ごめん。あたしが弱音ばっか言ってるせいだよね。でもこれとそれとは別だよ!明日美が幸せになる話なのに嬉しいに決まってる!遠慮しないで言ってよ!」

「ありがとう千雪。千雪に一番に報告したかったんだ。実はまだ両親にも言ってないの」

「ほんと?うわっ!嬉しい!ほんと嬉しいよ!明日美良かったね、幸せになってね!」

嬉しすぎて涙が出てきた。
明日美も涙を溜めて嬉しそうに笑っててますます嬉しくなっちゃった。


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