王子なドクターに恋をしたら
どんなに寂しいよって言い合ってお互いの気持ちを確かめ合っても、やっぱり直接逢って触れ合いたい。
逢える日を指折り数えて浮かれてるあたしを見ながら、明日美は頬杖を付き呟いた。

「寂しさ乗り越え再会って感動するよねぇ」

「そう!まさにそうなのよ!」

あたしは食いつくようにそう叫んでますます浮かれる。
和泉くんが突然逢いに来てくれた時もめちゃくちゃ感動した。
今また寂しさを募らせて和泉くんと逢えばあたしはどうなっちゃうだろう?
また泣いちゃうかな?

でも、楽しみ過ぎて寝られなくなってまたパンダ顔にならないように気をつけなくちゃ。
和泉くんはどんな顔でも可愛いなんて言ってくれたけど、酷い顔よりちゃんとした笑顔で出迎えたいなと思う。

「幸せそうな顔しちゃって〜」

「あらやだ、幸せの絶頂にいる明日美には負けるわよ〜」

イジるように言ってくる明日美の頬杖をつく左手には、ついこの間貰ったというエンゲージリングが光っている。
あたしに負けず劣らず幸せそうな明日美にお返しとばかりにプロポーズはどうだったか根掘り葉掘り聞いたのだった。


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