あのときのキスを
the last kiss
******************************

ほのか-。

俺はいままで、自分のこの感情に気づかないふりをしてきた。

もってはいけない感情だ。


ほのかと二人で買い物に行った日、俺はなんの気兼ねもしないで、本当にリラックスしていた。

ほのかは素直で、怒ったり、泣いたり笑ったり、いつも俺に真実を突きつける。

だから俺はお前をかんぐったり、心を探る必要もない。

だから、いつだって俺は、お前と居るときはなんの飾りも、体裁もいらないんだ。



お前がショッピングで夢中になっているとき、俺は視線を感じて振り返った。


険しい表情でこちらを見ている杏がいたんだ。

俺は何の気なしに、杏に向かって手を上げようとした。


そのとき、ほのか、お前は…


< 7 / 15 >

この作品をシェア

pagetop