SIREN
「遅ぇ」
壁に寄りかかって煙草をふかしている男、漣紅蓮が俺を睨みつける。
「ごめんごめん。これでも急いだ方なんだよ?」
つってもコイツはいつ見ても綺麗な顔をしている。
男の俺でもジッと見つめられたらドキッとしてしまうほどに。
……まぁ、そっちの趣味はないんだけどね〜。
「また女か」
呆れたようにいう紅蓮。
「え!何で分かったの!?あ、もしかして香水の匂いが移ってるとか!?」
最悪じゃん、と思いながら服の匂いを嗅ぐがそんな臭い香りはしない。