SIREN
「止めろ!」
「え、!?」
ブレーキを踏んで急停車した。
「ちょ、どこ行くんだよ!」
俺の問いに答えないまま、紅蓮は車を、飛び出して公園に入っていった。
戻ってきた紅蓮は、1人の女を抱いていた。
「ちょ、は?え、誰!?」
女……というよりは、女の子という方がしっくりくるかもしれない。
短い髪がサラサラと揺れる。
間から見えた頬は赤みを帯びていて、明らかに誰かに殴られたことがわかる。
「かわい……」
無意識のうちに溢れた声に反応した紅蓮に睨まれる。
「出せ」
俺は直ぐに女の子から目を離して車を出した。