SIREN


 「……んっ、」


 腕の中から色気のある声が聞こえて、それに更に紅蓮の顔が険しくなった。


 「肇遙、シン呼んできてくれ」


 「え、シンさん?紅蓮怪我してんのかよ!」


 「違う、吹雪だ。腕が折れてる」


 今にも人1人殺してしまいそうな目で言ってくる紅蓮に息を呑んだ。


 「っ、わかった」


 吹雪ちゃんを抱えて、家に入っていく紅蓮。


 それを見送ってから、俺はシンさんに電話をかけた。

 








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