SIREN


 「っ、た……」


 腕に痛みが走って目を覚ました。


 「え、どこ……ここ」


 私が目を覚ました場所は、公園ではなく和風な広い部屋だった。


 綺麗に整理整頓されていて、埃ひとつ無さそうだ。


 「あ、これ……」


 痛みを感じた腕には、白いギプスがしてあった。


 やっぱ折れてたんだ、ぼんやりとそんなことを考えていたら、突然襖が開いた。


 「っ!起きたか」


 入ってきた人物に、私は目を見開いた。


 「だ、れ?」


 恐る恐る聞けば、彼は少し口角を上げた。


 「漣紅蓮だ」


 そう言った彼は、きっと何より美しいと思った。





 
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