SIREN


 「ないから、あそこで寝てたんだろ?」


 図星過ぎて、反論する言葉が浮かんでこない。


 「まだ、ここにいろ」


 命令口調なのに、どこか懇願する様に聞こえる。


 「でも、迷惑じゃ……」


 「有り得ない」


 被せるように言った彼に少し怯んだ。


 「お前が……、吹雪が嫌だと言っても俺は帰すつもりはさらさらない」


 漣組という、絶対王者の言葉はどうしてこんなにも惹かれてしまうのだろう。


 「ここにいろ」


 それに私は、小さく頷いた。


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