SIREN


 「はぁ……」


 くっそ痛いんだけど……。

 赤く腫れ上がった腕を見て溜め息が出た。


 「悪魔、ねぇ……」


 前に学校の子に言われたことがあった。


 『あんた感情ないのかよ!この悪魔っ!!』


 どうしてそう言われたのか、興味もなかったからもう覚えていない。


 「確かにそうかも知れないな……」


 こんな状況でも、ちっとも心は痛くないし涙さえ出ない。

 そんな自分が、きっと1番滑稽なのかも知れない。



 
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