SIREN

 そしたら幸せだ。


 そしたら笑える気がする。


 もう随分と待ったけど、あの人はいつ迎えに来てくれるのだろうか。


 あの人だけが、私の全てだった。


 「ふぁ……」


 急激な眠気が私を襲ってきて、痛む腕が下にならないようにベンチに横になる。


 気づけば意識は、深くに沈んでいた。







 
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