お見合いは未経験
葵は、必死で今までの会話の記憶を辿る。
しかし、忍ちゃんという名前を聞いた覚えがない。
しばらくして、戻ってきた炯は若干機嫌が悪かった。
「グループ会社には弱いよな。さっきのセミナーの件、ゴリ押しされた。」
「そうなんですね…」
でも、なんだかこの絶妙な雰囲気で、忍ちゃんって誰ですかとは言いづらくて、結局、聞けないままに、終わってしまったのだ。
その日から、葵は『忍ちゃん』に囚われる。
少しでも、時間があるとぐるぐる考えてしまうのだ。
親しげだった、すごく、すごーく。
女性?会社の?
しかし、炯が会社の女性を性ではなく、名で呼ぶところなど、見た事はない。
絶対に浮気はない。
それは断言できる…と思う。
でも、炯さんのお仕事してるところ、すごく素敵だし…。席を外してまで、お話しするってなんで??
葵の頭からは、自分が採用された経緯など吹っ飛んでいる。
こんな、チーム、やっていけません!と人が辞めたから採用されたのだが。
それを思えば、正直、炯の仕事ぶりについて来れられる人材の方が少ない、と、断言してもいい。
しかし、完全に、視野が狭くなっていることに、本人だけが気付いておらず、葵はひとりぐるぐるな状態のまま、セミナー当日を迎えたのだった。
しかし、忍ちゃんという名前を聞いた覚えがない。
しばらくして、戻ってきた炯は若干機嫌が悪かった。
「グループ会社には弱いよな。さっきのセミナーの件、ゴリ押しされた。」
「そうなんですね…」
でも、なんだかこの絶妙な雰囲気で、忍ちゃんって誰ですかとは言いづらくて、結局、聞けないままに、終わってしまったのだ。
その日から、葵は『忍ちゃん』に囚われる。
少しでも、時間があるとぐるぐる考えてしまうのだ。
親しげだった、すごく、すごーく。
女性?会社の?
しかし、炯が会社の女性を性ではなく、名で呼ぶところなど、見た事はない。
絶対に浮気はない。
それは断言できる…と思う。
でも、炯さんのお仕事してるところ、すごく素敵だし…。席を外してまで、お話しするってなんで??
葵の頭からは、自分が採用された経緯など吹っ飛んでいる。
こんな、チーム、やっていけません!と人が辞めたから採用されたのだが。
それを思えば、正直、炯の仕事ぶりについて来れられる人材の方が少ない、と、断言してもいい。
しかし、完全に、視野が狭くなっていることに、本人だけが気付いておらず、葵はひとりぐるぐるな状態のまま、セミナー当日を迎えたのだった。