お見合いは未経験
指でもなく、炯自身でもない。
舌で、というのは柔らかくて気持ちいいような、もどかしいような。
そのくせ、快感に直接触れられると、身体は、びくんとしてしまう。

もともと、葵の気持ちいいところなど、炯には全部把握されているのだ。

その様子を下から仰ぎ見られるのは、少し倒錯的な快感。
軽く、内腿を噛まれて、思わず、声が漏れそうになる。

葵が自然に足を閉じそうになったところで、くすりと笑った炯に、片足を肩にかけられてしまった。
そうされてしまうと、身体をよじったくらいでは、逃げることは出来ない。

「炯さんっ…や…」
「気持ち良さそう。もっといやって言ってみな?」
入口付近の、とても気持ちの良いところを重点的に舐められてしまって、もう、いいのか、いやなのか、良く分からない。

「い…っちゃう…っ...。あ、炯さぁんっ…」
「イけよ。」
「…っ!……ふ…ぁんっ」

押し上げられて、目の前が真っ白になる。身体がびく、びくんっ、と跳ねて
葵は、がくっと力が抜けた。

それを炯が抱き留めてくれる。

や…てか、イってる場合ではないんだけど…。
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