お見合いは未経験
「気持ち良さそうだったな?」
「は…い。」
「で、勝手に…?」
そうでした。そこですよね…?

葵が立っていられない、と言うと、炯は会議室の椅子に葵を連れていき、自分の膝の上に、葵を乗せてしまった。

「え…っと、この体勢、なんですか?」
「早く、話せよ?榊原に、やってると思われるぞ。」
やだやだっ!!無理!
そんなこと、絶対想像されたくないよ!!

「誤解したんです!炯さんが、この前、忍ちゃん、と、言うので女性かと思って。」
「ま、そんなとこかな、とは思ったけどな。他にもあるだろ。」

「もう…っ、炯さんと、お仕事することは…ないんですね…」
「そうだな。一緒の支店とか、部下としてってのは、多分ないな。」
当然の如く、炯に淡々と言われて、葵は泣きそうだ。
「炯さんっ…」

「葵、こっち見て。」
炯は葵にキスをする。
深くて、気持ち良くて、温かいキスだ。

「意外とヤキモチ妬きなんだな。」
炯がくすくす笑っている。
「…みたいです。はぁ、こんなの初めてです。」

「オレの奥さん、すげー可愛い。ヤキモチとかやいて。お前のことだから、また、1人でぐるぐるしてただろ。」
「……。当たりです…。」
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