お見合いは未経験
取り寄せますか?私は構いませんけど。
そう、笑顔で尋ねると、柿沼が引き攣った顔になる。
「き、君ねぇ、僕は客だよ?客にそういう態度って、どうなんだ!?」
「先程から、私は一切、怒鳴りつけたり、声を荒らげたりはしていないと思いますが?」
「しかし!失礼だ!」
「ご不快でしたら、お詫び致します。」
「こんな、不快な対応をされるのは心外だ!取引は引き上げさせてもらう!」
「そうですか。それは残念です。でも、取引先をお選びになるのはお客様の権利ですから。」
「謝る気はないのか?!」
「何に対してでしょうか?もし、事実を争われるつもりなら、相応のご覚悟でお願いします。私の態度をおっしゃるなら、すでに、先程お詫び申し上げております。」
貴志は表情もほとんど変えず、淡々と伝える。
「あの…柿沼様、とおっしゃいました?」
そこで、今まで黙っていた成嶋が口をはさむ。
「この辺で、引かれた方がいいですよ。オレはしがない講師ですけどね、この人、本気ですから。」
柿沼は黙り込んだ。
「さっきも、この人が言った通り、銀行ってあちこちに防犯カメラがあります。でも、ここはないんですよ。ここに連れてきたのは、言わばオレの温情でもあって、ここで、話を終わらせた方がいいんじゃないですか?」
オレ達、詫びろとか言ってないですよね。と成嶋が穏やかに言う。
そう、笑顔で尋ねると、柿沼が引き攣った顔になる。
「き、君ねぇ、僕は客だよ?客にそういう態度って、どうなんだ!?」
「先程から、私は一切、怒鳴りつけたり、声を荒らげたりはしていないと思いますが?」
「しかし!失礼だ!」
「ご不快でしたら、お詫び致します。」
「こんな、不快な対応をされるのは心外だ!取引は引き上げさせてもらう!」
「そうですか。それは残念です。でも、取引先をお選びになるのはお客様の権利ですから。」
「謝る気はないのか?!」
「何に対してでしょうか?もし、事実を争われるつもりなら、相応のご覚悟でお願いします。私の態度をおっしゃるなら、すでに、先程お詫び申し上げております。」
貴志は表情もほとんど変えず、淡々と伝える。
「あの…柿沼様、とおっしゃいました?」
そこで、今まで黙っていた成嶋が口をはさむ。
「この辺で、引かれた方がいいですよ。オレはしがない講師ですけどね、この人、本気ですから。」
柿沼は黙り込んだ。
「さっきも、この人が言った通り、銀行ってあちこちに防犯カメラがあります。でも、ここはないんですよ。ここに連れてきたのは、言わばオレの温情でもあって、ここで、話を終わらせた方がいいんじゃないですか?」
オレ達、詫びろとか言ってないですよね。と成嶋が穏やかに言う。