お見合いは未経験
「ごめんね、真奈。なかなか会えなくて。」
確かに、ここ数日、会えていなかった。

顔を見たら、とてもとても嬉しい。
「いいえ！」
来てくれただけでも嬉しい。

もしかして、落ち込みの原因て、そこもあるのでは…。

そう思うと、現金なような。
そして、こんなにも好きだったのかと思い知らされたような。

「せっかく新婦様もいらっしゃいますし、お2人でお選びになられては？」
「え？僕の衣装を？そこまでしなくていいですよ。新郎は何を着ればいいのかな。タキシードだっけ？」

「一般的には、白とか、グレー、シルバーでお召しになられる方が多いですね。他にもありますよ。パープルとか。」

「そこまで、気合い入れなくていいですよ。」
貴志を見て、思わず気合いの入ってしまっているスタッフを、苦笑していなしている。

「ダークグレイ位の感じがいいですね。先ほどのオフホワイトは綺麗だったから、引き立ててあげたいしな。」

「あります！ぜひ、ご試着してみてください。新郎さま、スタイルもいいですし、何でも似合うと思います！」

あの…このスタッフの方、まさかとは思いますけど、貴志さんのタキシード姿が見たいだけではないですよね…。
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