お見合いは未経験

「なので、行ってきます。」
帰ってきた貴志に、早速報告をしている真奈なのだ。

「うん。行っておいで。」
あの、貴志さん？

先に休んでいていいよ、と連絡があったので、先にベットに入っていた真奈なのだが、帰ってきた貴志は襟元を少しくつろげただけで、ベットにいる真奈をぎゅっと抱きしめている。

「あ…の？」
「うん。聞いてる。聞きながら真奈を補充してる。明日もスケジュール詰まってて。兄も、成嶋さんもパワフル過ぎる。」

まあ、なんとなく分かります。

「僕に気を遣わなくていいから、行っておいで。」
「はい。」
そう返事して、真奈は貴志をなでなでする。

「ん？真奈？」
「大変ですよね。すごーく、頑張っていると思います。」
は、とため息をついた貴志に、両腕を取られた。
「襲われたいの？真奈？」

端正な顔に妖艶な笑顔を浮かべて、襟元のネクタイを片手で緩めるその仕草に、真奈はくらくらする。

セクシーすぎです！
ドキドキしますっ！
だって、だって、相変わらず、素敵なんです！