お見合いは未経験
土曜日、天気は快晴だった。
天気予報も週末は晴れだ。
バーベキューも楽しく過ごせるだろう。

さて、と貴志はクローゼットを開いた。

スーツを着て、挨拶にいき、軽く食事。
そのまま諸々の買い物をする。
成嶋の家に行き、ラフに過ごす。
終わったら別の場所で静かに過ごす。
それについても既に手配済だ。

着替えの準備や諸々の手配を済ませ、貴志は家を出る。

あらかじめ、調べておいた真奈の家にはスムーズに到着した。

まあ、こういう事だよな。

到着した真奈の実家は、『小笠原』と立派な表札の日本家屋。

車のまま中庭まで、入り、玄関の呼び鈴を押す。
いらっしゃいませ、お待ちしておりました、とにこやかに出迎えてくれたのは、お手伝いさんらしき女性だ。

「お噂はかねがね…」
「悪い噂でないといいんですけど。」
そう言って貴志は微笑む。

いえいえ、もう、お噂通りです!と言われてしまった。
客間でいらっしゃいと出迎えてくれたのが、小笠原家の当主である。
にこやかでも油断出来ないことなど、貴志は百も承知だ。
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