お見合いは未経験
でも、真奈はそんなことはなかった。
声も鈴を転がしたような、という表現があるがまさにそれだ。
もっと聞きたい、と思ってしまう。
「こういうところ、よく来られるんですか?」
「いえ、たまに、です。」
「どういうものがお好きなんですか?」
「割と何でも頂くんです。」
「好き嫌いないんですね。お仕事は忙しいですか?」
「そうですね。でも、きっと榊原さん程ではないと思います。」
「どうして?」
「なんか、イメージなんですけど…」
「商銀は忙しそう?」
「あのっ、イメージです!」
少し赤くなっている。可愛い。
ちょっとずつ解れてきているのか、やり取りがスムーズになってきたのも、面白い。
ふっと笑うと目を逸らされてしまった。
しかし、少しだけ見えている耳が赤いのは隠せない。
「真奈さん、お食事の後、予定はありますか?」
「いえ…。」
「では、少しだけ散歩しませんか?ここの庭はガーデニングがとても綺麗なんです。」
そう言って微笑みかけると、真奈ははい、と頷いた。
食事をしている間に、貴志はもう断る気などなくしていた。
少しばかり、強引にでも、真奈を手放すつもりはなくなっていたから。
人見知りしているけど、嫌われてはいないはずだと思う。
反応はただ慣れていなくて初々しいだけ、なのだろう。
散歩は嫌ではないと言ってくれたのだし、少しは一緒にいたい、と思ってくれていると良いのだが、と榊原は考える。
着物では、立ちづらいだろうと、榊原は真奈の椅子を引いた。
「ありがとうございます。」
とは言われたが、また俯かれてしまった。
声も鈴を転がしたような、という表現があるがまさにそれだ。
もっと聞きたい、と思ってしまう。
「こういうところ、よく来られるんですか?」
「いえ、たまに、です。」
「どういうものがお好きなんですか?」
「割と何でも頂くんです。」
「好き嫌いないんですね。お仕事は忙しいですか?」
「そうですね。でも、きっと榊原さん程ではないと思います。」
「どうして?」
「なんか、イメージなんですけど…」
「商銀は忙しそう?」
「あのっ、イメージです!」
少し赤くなっている。可愛い。
ちょっとずつ解れてきているのか、やり取りがスムーズになってきたのも、面白い。
ふっと笑うと目を逸らされてしまった。
しかし、少しだけ見えている耳が赤いのは隠せない。
「真奈さん、お食事の後、予定はありますか?」
「いえ…。」
「では、少しだけ散歩しませんか?ここの庭はガーデニングがとても綺麗なんです。」
そう言って微笑みかけると、真奈ははい、と頷いた。
食事をしている間に、貴志はもう断る気などなくしていた。
少しばかり、強引にでも、真奈を手放すつもりはなくなっていたから。
人見知りしているけど、嫌われてはいないはずだと思う。
反応はただ慣れていなくて初々しいだけ、なのだろう。
散歩は嫌ではないと言ってくれたのだし、少しは一緒にいたい、と思ってくれていると良いのだが、と榊原は考える。
着物では、立ちづらいだろうと、榊原は真奈の椅子を引いた。
「ありがとうございます。」
とは言われたが、また俯かれてしまった。