ダイヤの王様
「今夜は年越し勝負だな。付き合ってくれよ」

「えっ?」

ジャケットのポケットをごそごそと探り、取り出したそれに、しわくちゃのカードを上から重ねた。

「……うそ」

あのトランプの箱だった。どうしてこんな、こんなことって。

「これでカードは揃ったな。あとは……」

「あっ」

肩を抱き寄せ、彼が囁く。

やっぱり少しだけ、背が高くなっていた。

「あとは、返事を聞いて完成だ」

ダイヤの王様が優しく笑う。

温かく頼もしい腕の中、私はようやく答えを伝えた――





<終>
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