極上御曹司と授かり溺愛婚~パパの過保護が止まりません~
玄関のたたきには赤いハイヒールと白革の男性物の靴が並んでいる。姉夫婦はすでに到着しているようだ。
入ると濃紺のエプロンをつけた母が待っていた。五十二歳の母は、料理教室を開いておりたくさんの生徒さんがいて、日々身なりに気をつけているせいか若々しく綺麗だ。
「朔也さん、こんばんは。デートの邪魔をしてごめんなさいね。電話の向こうの美月が不機嫌そうだったと主人が言っていたわ」
父にはそんなふうに思われないよう言葉にしていたつもりだけど、バレていたみたいだ。
「そんなことないですよ」
朔也さんは言ってみるものの、母は知った顔で私に向かってにっこり笑う。母と目と目が合った私は肩をすくめてみせる。
「さあ、どうぞ」
ダイニングルームに向かうと、姉と良幸さんが席に着いていた。朔也さんの姿に、ふたりは立ち上がってこちらにやって来る。
私は去年、セブ島で挙げた結婚式に出席しているので、良幸さんとは会っている。
ふたりと初対面の朔也さんは自己紹介し、姉夫婦も挨拶している。
姉は大学の頃ミスキャンパスになったほど容姿端麗だ。マニラに住むようになって、日焼けして健康的な肌になり、肩より少し長い髪はアッシュブラウンになっていた。赤い幾何学模様のワンピースが華やかだ。
二十七歳の姉とひと回り違う年上の良幸さんは白っぽいベージュのスーツを着ており、髪の毛が明るいブラウンに染められているので派手な印象を受ける。
目鼻立ちがはっきりとしていて、その派手な外見も相まって姉と同年齢くらいに見える。
入ると濃紺のエプロンをつけた母が待っていた。五十二歳の母は、料理教室を開いておりたくさんの生徒さんがいて、日々身なりに気をつけているせいか若々しく綺麗だ。
「朔也さん、こんばんは。デートの邪魔をしてごめんなさいね。電話の向こうの美月が不機嫌そうだったと主人が言っていたわ」
父にはそんなふうに思われないよう言葉にしていたつもりだけど、バレていたみたいだ。
「そんなことないですよ」
朔也さんは言ってみるものの、母は知った顔で私に向かってにっこり笑う。母と目と目が合った私は肩をすくめてみせる。
「さあ、どうぞ」
ダイニングルームに向かうと、姉と良幸さんが席に着いていた。朔也さんの姿に、ふたりは立ち上がってこちらにやって来る。
私は去年、セブ島で挙げた結婚式に出席しているので、良幸さんとは会っている。
ふたりと初対面の朔也さんは自己紹介し、姉夫婦も挨拶している。
姉は大学の頃ミスキャンパスになったほど容姿端麗だ。マニラに住むようになって、日焼けして健康的な肌になり、肩より少し長い髪はアッシュブラウンになっていた。赤い幾何学模様のワンピースが華やかだ。
二十七歳の姉とひと回り違う年上の良幸さんは白っぽいベージュのスーツを着ており、髪の毛が明るいブラウンに染められているので派手な印象を受ける。
目鼻立ちがはっきりとしていて、その派手な外見も相まって姉と同年齢くらいに見える。