極上御曹司と授かり溺愛婚~パパの過保護が止まりません~
 出かける支度をしていると、以前隣に住んでいた早妃(さき)さんからメールが入った。

 早妃さんは三年前にイギリス人の男性と国際結婚をして、現在はクアラルンプール在住だ。遠く離れてしまったが、他愛のない話や悩み事などを聞いてもらっている。

 早妃さんは結婚するまではよく私の母に料理を教えてもらっていて、ふたりは親子のように仲がよかった。もちろん私も早妃さんが大好きだったから、楽しそうなふたりを見るのはうれしかった。

 メールには旦那様のベンが自宅プールで泳ぐ写真や早妃さんとのツーショットが添付されていて、幸せそうだ。

 クアラルンプールは暑いんだろうな。

 今度彼女とベンに会えるのは私の結婚式だ。

 結婚祝いはなにがいいか尋ねるメールに、【考えておくね】と返信した。


 十七時過ぎ、大きなショッパーバッグに入った二段の重箱を慎重に持ち、自宅を出る。

 徒歩五分のところにある駅から地下鉄に乗って、朔也さんの住む六本木のタワーマンションへ向かった。自宅から電車だと三十分ほどだ。

 朔也さんの住まいは2LDKで、結婚後のためにもう少し広い新居を探そうと言われ、現在物件を探している。

 結婚式の一つひとつを決めていく段階や新居探しは、言い表すことができないほどの幸せを感じる。

 熱帯魚を飼うという目標もできて、リビングの広さを重視することが決まり、ますます熱が入る。
< 26 / 62 >

この作品をシェア

pagetop