極上御曹司と授かり溺愛婚~パパの過保護が止まりません~
 家から十分ほどのパーキングに車を停め、近くのカフェに入った。運転中、朔也さんは考え事をしているようで、ふた言ほど話した後は沈黙が続いた。

 それでもパーキングからカフェに入る間、私の手はしっかりと朔也さんの大きな手に握られていた。

 店員に案内されて、ゆったりとしたスペースの席に落ち着く。

 対面に座る朔也さんの表情を私はついジッと見てしまう。

「美月、スイーツでも食べる?」

 私は首を横に振る。

「ううん。ウインナーコーヒーが飲みたいです」

 生クリームがのったコーヒーは以前から好きな飲み物だ。

「OK」

 朔也さんは店員を呼んで、ブレンドコーヒーとウインナーコーヒーを頼んだ。

「こんなところで話すべきではないと思うが、大事なことだから急遽会ってもらったんだ。びっくりしただろう? すまなかったね」

「朔也さん、長期の海外出張って、どこへ? どのくらい?」

「イタリア支店の業績が悪くてね。以前から重役会議で話されていたんだが、今回大々的に改革することになったんだ。人事改革をして売り上げを伸ばすのが俺の役目だ。期間は来年の二月までの四ヵ月間になる」

「ええっ? そんなに……四ヵ月間……」
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