極上御曹司と授かり溺愛婚~パパの過保護が止まりません~
 そこへ、店員がオーダーした飲み物を持ってきた。

 恥ずかしくて手を引っ込めようとしたが、朔也さんは許さずにそのままだ。

 店員は飲み物をテーブルに置いて去っていき、ホッとする。

「もうっ、あの店員さん居心地が悪そうでした」

「そうだったか?」

 しれっとそう口にした彼の吐息が指をくすぐり、体が(うず)くような感覚に襲われた。

「飲もう」

 ようやく手が離され、私はウインナーコーヒーに口をつける。かき回さずそのまま飲むのが好きだ。

「美月、それって、俺になめ取ってほしいと言っているのか?」

「えっ?」

 なんなのかわからないでいるうちに、朔也さんは腰を上げて顔を傾けると、私の上唇を舌でペロリとなめた。

 突然唇をなめられた私は、彼を茫然と見て動けないままでいた。朔也さんはふっと笑みを浮かべもとの位置に戻る。そして、ため息をひとつこぼす。
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