極上御曹司と授かり溺愛婚~パパの過保護が止まりません~
 それから十分もかからずに麻布(あざぶ)の隠れ家風のビストロに到着した。

 初めて訪れるビストロはウニクリームパスタが絶品で、サラダのドレッシングもおいしく、朔也さんと会話が弾みながらの食事を楽しんだ。

 明日は式場の打ち合わせ。ウエディングドレスとカラードレスの仮縫いがある。レースをふんだんにあしらった美しいデザインのドレスのできあがりは今から楽しみで、明日の仮縫いを心待ちにしていた。仮縫いの後は、聖家の夕食に招かれている。

 ビストロでおいしい料理を堪能し、朔也さんは私の希望通り都内の水族館へ連れていってくれた。

 都内にある水族館は、近隣の県にある施設とは違って規模は小さいけれどトンネルの水槽は圧巻で、イルカやアシカショーも観られ、ゆっくりドライブを楽しむ時間がないときのデートには最適な場所だと思う。

 十六時を過ぎてからの入館だったので、ショーは残念ながら観られなかった。

 私たちは手をつないだまま各水槽に入っている魚たちを眺めて歩き、トンネルの水槽を目指す。

「朔也さん、見てっ! すごく綺麗(きれい)

 彼の腕を引っ張って、色とりどりの熱帯魚が泳ぐ巨大な水槽の前に立つ。

「カラフルだな。これだけいると楽しい。新居でも大きな水槽で熱帯魚を飼おうか?」

「本当に? いいの?」

「もちろん。リビングに置けばいつでも目を楽しませてくれる」
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