極上御曹司と授かり溺愛婚～パパの過保護が止まりません～

　私たちは現在新居の物件を探している。朔也さんは聖家の長男だけど、新婚生活を楽しめるようにふたりで暮らせばいいと、向こうのご両親も言ってくれていた。

「すごく楽しみ。あ！　クマノミよ！　かわいい。でも、飼育は難しいんじゃないかしら」

「専門家に頼めばいい」

「朔也さん、ありがとう。すごく楽しみだわ」

　新居のリビングに置かれた水槽で泳ぐ熱帯魚を想像すると、頬が緩んでくる。

　そのとき、バッグの中のスマホが振動していることに気づく。

　バッグからスマホを出して首をかしげる。

「どうした？」

　朔也さんがスマホの画面を持ったままなんのアクションもしない私に尋ねる。スマホはまだ着信していたが、私が朔也さんに口を開こうとしたとき切れた。

「お父さんからだったの。珍しいから驚いちゃった。なにかしら……」

「急用かもしれない。向こうでかけた方がいい」

　朔也さんは電話ができる場所を示し、そこへ移動した。