貴方は私の光です。
「あ…あのどこ行くんですか?」

「そのうち分かるよ」

私の方は振り向きもせずに腕を掴んだまま足を進めるからこの人の心情が読めない

「でも私…入学式」

「大丈夫入学式には間に合わせるようにするからさ」

食い気味に言う彼を私は信じれなかった

何が嫌な予感がする

私の勘は結構当たる方で何故か嫌な予感はよく当たる

今回もそんな感じがする

「あの…秋さん」

「あ、秋でいいよ」

少し長めの茶髪の髪の毛を耳に掛けながら私の方を向く

「秋、私ちょっとトイレに… 」

「大丈夫今から行く所にもトイレあるから」

読まれた…完全に思考が読まれた

逃げようと思ったのに

それが面白く感じたのか秋はクスッと笑った

「さぁ着いたよ」

長い廊下をずっと進んでたから気が付かなかった

廊下の突き当たりに怪しげな雰囲気を醸し出す扉があった

「ほら入っていいよ」

扉を開けた秋がそう言って私の肩を軽く押して私はその教室の中に足を踏み入れた
< 10 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop