私達には、関わらないで!!

···再び··彼


それからしばらくは
静かだった。

「もう、彼は来ないだろう。」
と、伯父さんやゆかりさんとも
話していた。

その週の日曜日は、
  最終まで勤務した。

ずっと休んでいてゆかりさんが
働き詰めだったから
陽菜乃は、ゆかりさんが
遊んでくれていた。

閉店の間際に彼がやってきた。

« カランカラン »の音に
「すみません······
(もう、終わった事を告げようと)
と、伯父さんの声が止まり
顔をあげると
あの彼で·····

いきなり、土下座をして
「お願いします。
兄を兄を助けて下さい。

勝手な事を言っているのは、
わかっています。

ですが、兄····を····どうか·····

·····どうか····どうか····

  おねがい····します·····

    ·····たすけ····て···くだ···さい···」
彼は、ボロボロと涙を溢しながら
私に頭を下げる。

私は、驚きで身体が動かなかった。

すると、伯父さんが
「立ちなさい。
   スーツが汚れる。」
と、言うが
彼は、頭を横にふりながら
床に頭がつくほどに
下げている。

すると、奥でゆかりさんと
遊んでいた陽菜乃が来て
「ママっ、どうしたの?」
と、私の腰に抱きついてきた。
「陽菜ちゃん、こっちにおいで。」
と、ゆかりさんが言うと

彼は、頭をあげて
息をのむ

その彼の顔を見て
涙が流れる彼の顔を見て陽菜乃が
「どこか、痛いの?」
と、彼の頭を撫でた。

彼は、再び、涙をボロボロと流す。

すると陽菜乃が
「ママ?おじちゃん、痛いの?」
と、私を向いて言うから
「痛いのかな?
座っていたら、わからないよね。」
と、言うと
「ほら!おじちゃん、立って。」
と、陽菜乃が言う。

彼は、私と伯父さんの顔を見て
頭を下げて立ち上がった
「いたい?足?だいじょうぶ?」
と、陽菜乃が言う
「····あり···がっ····とう···」
と、彼は涙を拭きながら陽菜乃に言った。

伯父さんとゆかりさんは、
片付けをしてから
彼の元にきて椅子に腰かけるように
伝えた。

私は、少し離れた所で
陽菜乃と一緒にいた。
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