私達には、関わらないで!!

···話し合わせ


日曜日早めにソライルを閉めた。

伯父さんに申し訳なく思うが
「芽依とひなの大事な話だ。
気にする必要はない。
それに一時間しか早くない。」
日曜は、20時に閉めるが
今日は、19時に閉めた
事前にお客様には伝えていた。

« カラン »と、音と共に
陽真君が·····
そして早乙女さんに脇を持たれた
悠真が·····

まだ、本調子ではないのが
見てわかり
私は、思わず悠真の元へ
すると私の顔を見てニコリとして
体を預ける。
全身に重みがかからないように
早乙女さんが補助してくれている。
かなり痩せてもやはり男の人の体は重い。

伯父さんがやってきて
「座りなさい。」
と、悠真に言うと
悠真は、一度頷いてから
私と早乙女さんに離れるように言い
伯父さんに
「私は、石川 悠真と申します。
私のせいで芽依を苦しめ
辛い思いをさせてしまい
申し訳ありませんでした。

芽依を救って頂きまして
ありがとうございます。」
と、立ったまま話して頭を下げた。

まだ、体がふらつくが
誰にも触れるなと仕草をする。
伯父さんは、
「悠真君と言ったかな。
君の謝罪は解ったよ。
だから、まずは座りなさい。」
と、言うと
「ありがとうございます。」
と、言って悠真は腰かけた。
私は、
「悠真の体調は?」
と、早乙女さんと陽真君の顔をみる
「少しは、食べるように
してくれますが。
入院の必要があるのに
社長が·····」
と、言う早乙女さんに
「あの人は、息子でも身内でも
自分の駒としか思っていないから。」
と、吐き捨てるように言う陽真君。

伯父さんは、悠真に軽いものを作り
「食べれるだけで良いから食べなさい。」
と、出して飲み物をみんなに配り
自分も腰かけた。
「いただきます。」
と、伯父の作ったものを口にして
「美味しい。」と、言いながら
食べる悠真を見ながら
陽真君が
「話し合わせをしても良いですか?」
と、言うと悠真が
「芽依、あの日の話を聞かせて
くれないか?辛いだろうが。」
と、言ったから
私は悠真に頷いて
卒業の前日におきた話をした。

「あの日
マンションの部屋のブザーが鳴り
悠真が忘れ物したかと思い出たら
スーツを来た男性がいて
悠真には、小さい頃から
許嫁がいて、その人と卒業したら
婚約発表があると
その事を踏まえて悠真は
私と遊んだのだと。
今後一切、石川財閥に関わるな
と封筒を渡された。
中身はお札で叩き返すと
あなたが働いても手にする額では
ないと言うあの人に寒気がしたと

それから、
約束を破るような事があったら
父の教育者としての道を絶つと
それにもし妊娠していたら
処置をするように言われて
金持ちかなんか知らないけど
人の命に対してそんな事言うから
追い返したの」
と、言うと悠真は眉間に皺を寄せて
「芽依さん、わかっているとは
思いますが。
兄も私も兄に許嫁がいるなんて
知りません。本当です。」
と、言う陽真君に
悠真と陽真君を見て頷いた。

すると悠真が
「芽依、実家に帰ったんだろ?
教員採用試験も合格していたよな
なぜ?伯父さんの家に?
あんなにお父さんを尊敬して
芽依も学校の先生になりたいと
言っていたのに。」
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