私達には、関わらないで!!
« コンコン »
「専務、社長がおみえです。」
「どうぞ。」
早乙女の言葉に答えると
父が林を伴って入ってきた。
「情けなくも倒れたが
もう良いのか?」
「はい、見ての通りに。」
「色々と手を加えているようだが
利益が上がっているため
口を出さずに来たが
陽真も後一年となった。
単位もとれていると言う
卒業も間違いないため
四月から各方面で勉強をさせる。
卒業と同時に専務として
お前は、副社長となりなさい。
良いな!」
「そうですね。
陽真とも話して見ます。
だが、先刻もお伝えしましたが
私は、石川の総帥にはなりません。
陽真に任せます。」
「お前ごときが決める事ではない。
それもわしが決める。
陽真にも結婚の申し出が来ておる。
お前が赤木の娘を放置して
おるから、面倒だ。」
「お話がそれだけでしたら
お引き取りを。
会議が始まりますので。」
「ふん。偉そうに。
林、戻るぞ。」
早乙女が専務室のドアを開けて
社長を見送る。
悠真は、拳に力を入れて
たえる。
自分の父親だが
顔をみるだけでも怒りと嫌悪感がわく。
「専務、良く我慢されました。」
と、早乙女の言葉に息を整える。
「ありがとう。
今は、我慢の時だな。」
と、言うと
「10分だけ、差し上げます。」
と、言って専務室をでる早乙女に
笑いがでる。
すぐに携帯を鳴らす
「悠真?どうしたの?」
「いや、芽依の声が聞きたかっただけ。」
「うふふっ、そう。
体無理しないでお仕事頑張ってね。」
「ああ。芽依!」
「ん?」
「愛してる。」
「·····私も、愛してる。」
「ありがとう。元気でた。
じゃ、また夜に。」
と、言って電話を切り
専務室を出て会議室へ。
「お顔、戻りましたね。
やはり、芽依様のお陰。」
と、笑う早乙女に
「ありがとう。」
と、言って席につく
今日は、各会社の社長との
報告や意見を聞く日となっている。
みな、素晴らしい人材だから
活気もあるし頼もしい。
要らないものは
はっきりと不要と言い
良いものは、徹底して伸ばす
策も沢山もっていて
こちらも勉強になる。
陽真が継いでも
それは変わらない事だ。