私達には、関わらないで!!
母から連絡があった土曜日
久しぶりに実家へと
帰ってきた。
私と悠真、陽菜乃とお義母様で
実家のベルを鳴らす
母が直ぐに対応してくれて
悠真とお義母様に
深々と頭を下げた。
陽菜乃が
「おばあちゃん!」
と、言うと
「陽菜乃、いらっしゃい。」
と、言って陽菜乃の頭を撫でた。
それから、母の案内で
リビングに向かう
「誰か、みえたのか?」
と、言う父の声に
あの時を思いだし肩がすくむ
そんな私の手を悠真が繋いでくれて
お義母様が背中に手を当ててくれた。
「芽依です。」
と、母が言うと
父は、立ち上がりドスドスと
こちらに向かう足音が聞こえた。
母の後ろにいる私を見て
困惑な顔をした。
「あなた、座ってください。
芽依も中に入りなさい。
石川様もどうぞ。」
と、言われて
「お父さん、ただいま」と、私。
「「おじゃまいたします」」
と、悠真とお義母様
陽菜乃は、初めて見る父を
チラチラみながら
「ママっ!!」
と、膝に来る。
そんな陽菜乃を膝に座らせると
悠真が、
「初めてお目にかかります。
わたくしは、石川 悠真と申します。
5年前になりますが
芽依さんとお付き合いをしていました。
ですが、私の父が勝手に
芽依さんを脅して私と別れさせたのです。
ですが、この度全てが片付きましたので
正式に芽依さんと結婚をしたいと思い、
御両親の許可を頂きに参りました。」
と、言うと
「石川とは····あの?」
と、父がテレビで見た事を言っていると
お義母様が
「悠真の母 石川 美栄と申します。
この度は、主人の勝手な行動
人間として決して行なってはいけない
人を騙し脅すと言う卑劣な行為に
芽依さんを巻き込んでしまい
申し訳ありません。
主人には、もう主人ではありませんが
鉄槌を下しておりますので
どうか、二人の結婚を お許し下さい。」
と、頭を下げてくれた。
父は、口を開けて呆然としていると
お母さんが····
「芽依に固く口止めされていたのです。」
と、言って·····
・悠真には、昔から許嫁がいて
芽依の事は遊びだったと言われた事
・石川に一切関わらないようにと
お金を渡された事
・妊娠していたらこのお金で
処置をするように言われた事
だが、芽依はそのお金を叩き返し
お金持ちかなにか知らないけど
人の命を軽視するような人に
二度と会いたくないと
・告げに来た人を追い出した事
・約束を守れない時は
父親の教職の道は、なくなると思えと
石川の力を使えば簡単な事だ····と。
「そう······言われたから芽依は、
お腹の子の父親の名前を言わなかったのよ!
なのにあなたもその人と同じですよ
身重の芽依を家から追い出したのですから
だけど·····私も·····同罪です·····。」
と、泣きながら語る母に
陽菜乃が膝からおりて
「おばあちゃん、痛いの?」
と、小さなハンカチで拭いてあげていた。
そんな陽菜乃を
母は、抱き締めて
「陽菜乃、ごめんね。
本当に、ごめんね。」
と、謝ると
少し困った顔を私に見せて陽菜乃は、
「うん、いいよ。おばあちゃん。」
と、言った。