私達には、関わらないで!!
父と母とお義母様がいる場所で
悠真は、自分の考えを改めて
伝えた。
父は、
「石川ではなく前園を名乗りたい
と、言ってもらえて本当に嬉しかった。
だが······」
と、言ってから
「ありがとう、悠真君。
君のその気持ちだけで充分だよ。
だけどね、君は、石川家の長男だ。
古くさいと言われるかもしれないが
長男として
お母さんもきちんと守りなさい。
最初に生まれた子は、
回りの全ての人から
多大な愛情を貰うんだよ。
後から生まれてきた子よりね。
別け隔てをしている事は
ないのだけど不思議とそうなんだ。
だからではないけど
最初に生まれた子は、
もらった沢山の愛情を返す
そんな意味で長子が継ぐ
そう言う事に繋がるのではないか
と、私は思うんだよ。
お母さんは、言わないだろうが
君が石川財閥を継がないことは
やはり寂しいし不安だと思うよ。
それにまして、名前まで変えてしまうと
縁も無いように感じるのでは?
君は芽依を陽菜乃をきちんと
守ってくれた。
もう心配はないのだろ?」
と、悠真を見ると
悠真が頷くと
「それなら、
石川のままで良いのではないだろうか?
私は、商売をしているわけではないから
芽依が教師として、
少しでも教壇に立てたら
それだけで本望だよ。」
と、父が言うと
悠真は、お義母様の顔を見ると
お義母様は父の話を聞いて
嬉しいそうな顔をされていた。
「私も、石川が良いな。
だって、出戻り?もしくは旦那を尻に
敷いているみたいだから。」
と、笑いながら言うと
「お父さん、芽依、
ありがとうございます。
かあさん、いいかな?そのままで?」
と、悠真が言うと
「あなたは、石川のそして
私の大切な息子で長男です。」
と、言ってくれてから
「あなたは、石川の財産も放棄する
つもりでしょうが、私はあなたにも
陽真にも同じようにしてあげたいの。
それは、芽依ちゃんや陽菜乃にも
関わることよ。
先程、お父様も言われたように
あなた達に害を与える人は
いないのですから
普通でいましょう。
しばらくは、陽真を助けてくれるのでしょ。
宜しくお願いします。」
と、お義母様に言われて
悠真も全てを納得する事が出来たようだ。
そこで、お母さんが
「あなた、理さんがいなかったら
芽依と陽菜乃は、
今こうしてられなかったのですよ。
きちんと理さんにお礼を言って下さいね。
結婚してゆかりさんと言う
素晴らしいお嫁さんもいますから。」
と、伝えると芽依が
「本当に理伯父さんとゆかりちゃんには
感謝の気持ちしかないの。
ずっと、守ってもらって。」
と、言うと
「俺より頭の良かった理が
教師にならなくて料理人になった事が
ひどくショックで。
理にあたってしまったんだ。
行くよ。鎌倉に。
そして、きちんとお礼も言うし
結婚も祝いたい。」
と、言ってくれて
なんだか肩の荷が全ておりた感じだった。
私と悠真は、明日婚姻届を提出して
式は、この間、
不正の会見をしたばかりだから
一年後に行う事となった。
陽菜乃は、
「おじいちゃん、おばあちゃん
また、来るね。
ひなにも会いに来て。」
と、言って手を振っていた。