【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
結婚式から蜜月はつづく
この、佳き日。
時折雲が流れるものの、うららかな天気となった。
三ツ森家は昨日から前泊してて、朝ごはんが全員揃っての、最後の食事である。
『お父さん、お母さん。今までお世話になりました』
恒例のアレをしたかったのだが、父が籠城している洗面所から、うおお……という号泣の声が聞こえてくるばかり。
「は、腹を壊してるだけだぁっ」
父よ。
誰がそんな言い訳を聞こうか。
「嘘よ。お母さんが作った味噌のサバ漬け食べてもお父さんピンピンしてたもの」
母の料理で壊さないなら、やはり父は剛のもの。
とはいえ。
「私が涙ぐむはずだったんだけどな……」
お母さんと目を合わせて、やれやれと肩を竦ませあった。
「じゃ、行ってきまーす」
「後でね」
なんともしまらない嫁入りの日になった。
時折雲が流れるものの、うららかな天気となった。
三ツ森家は昨日から前泊してて、朝ごはんが全員揃っての、最後の食事である。
『お父さん、お母さん。今までお世話になりました』
恒例のアレをしたかったのだが、父が籠城している洗面所から、うおお……という号泣の声が聞こえてくるばかり。
「は、腹を壊してるだけだぁっ」
父よ。
誰がそんな言い訳を聞こうか。
「嘘よ。お母さんが作った味噌のサバ漬け食べてもお父さんピンピンしてたもの」
母の料理で壊さないなら、やはり父は剛のもの。
とはいえ。
「私が涙ぐむはずだったんだけどな……」
お母さんと目を合わせて、やれやれと肩を竦ませあった。
「じゃ、行ってきまーす」
「後でね」
なんともしまらない嫁入りの日になった。