【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
見合い当日。恫喝と書いてプロポーズと読む?
本日は晴天なり。
お振袖をひさしぶりに着た私はちょっと、いやかなり浮かれていた。
白地に熨斗目紋様が描かれた着物に、金地に吉兆紋を織り出した帯は清楚でいながら華やか。
いかにもお嬢様な格好で念願の庭園を散策しているので、気分はあがる一方だ。
私だっておしゃれは好きだもの。
「あー、気持ちいい……」
おまけに大安吉日。
今日は少し肌寒いくらいの風があるけれど、振袖を着ている人間にとっては、適した温度といえる。
TOKAIヒルズの屋上庭園は、大きな心の字池を挟むように、四カ所ほどに点在する林でいくつかのゾーンにわかれている。
歩いていくうち、微妙に植樹されている花木が違ってくるのが趣深い。
五mを越える樹木も植わっており、建物の屋上であることなど微塵も感じさせないところに、造り手の力量を感じる。
「流石……」
都会のど真ん中。
ぴぴぴぴぴ……と鳥のさえずりも聞こえてきて、のどかである。平日の昼休みにあたる時間でないせいか、誰とも会わない。
「ふふー。マイナスイオンを独り占めー」
ずんずん歩いて、とある木の前に出た。
お振袖をひさしぶりに着た私はちょっと、いやかなり浮かれていた。
白地に熨斗目紋様が描かれた着物に、金地に吉兆紋を織り出した帯は清楚でいながら華やか。
いかにもお嬢様な格好で念願の庭園を散策しているので、気分はあがる一方だ。
私だっておしゃれは好きだもの。
「あー、気持ちいい……」
おまけに大安吉日。
今日は少し肌寒いくらいの風があるけれど、振袖を着ている人間にとっては、適した温度といえる。
TOKAIヒルズの屋上庭園は、大きな心の字池を挟むように、四カ所ほどに点在する林でいくつかのゾーンにわかれている。
歩いていくうち、微妙に植樹されている花木が違ってくるのが趣深い。
五mを越える樹木も植わっており、建物の屋上であることなど微塵も感じさせないところに、造り手の力量を感じる。
「流石……」
都会のど真ん中。
ぴぴぴぴぴ……と鳥のさえずりも聞こえてきて、のどかである。平日の昼休みにあたる時間でないせいか、誰とも会わない。
「ふふー。マイナスイオンを独り占めー」
ずんずん歩いて、とある木の前に出た。