【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
 目の前の人物……隠岐さんを眺める。

 あらためて見ればエグゼクティブにしか見えない。
 高価であろう腕時計もカフスボタンも憎いほど似合ってる。
 タブレットしか持ってないのがスマートすぎる。
 黒い髪が乱れて額にかかる様が、なんともいい。
 冷たそうに見えるくらい整い過ぎてるのに、息を乱してほんのり赤くなっている彼は激情家みたいに見える。
 そして、いまや。
 私をにらんでいる双眸は、炎が燃えているようだった。ハッキリ言って焼き尽くされそうで怖い。
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