【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
「貴方はオファーをして、彼女の了承を得たのだろうか。ひかるが不承であるならば、多賀見としては縁談を進める必要はない」
伯父様の穏やかな、しかし持ちかけたのが多賀見だとしたらかなり傲慢な台詞に、なぜか強気だった隠岐さんの表情が歪む。
「俺は……っ、」
動揺しているらしい。頑張れ、隠岐さん。
ん?
なんで私、彼を応援してるんだ。
立場が逆転したらしく、伯父様は強気で言いきった。
「ひかるは我が家にとって大事な女性だ。多賀見の名前がほしいだけの男に、やるわけにはいかない」
「痛っ」
伯父様が宣言された瞬間、さっきより強く握り直された。
隠岐さんの手は震えていた。……どうして?
「隠岐は多賀見を取り込むつもりはない。俺はひかるがプロジェクトに参加しなくても彼女が欲しい。多賀見さん、お願いします! 彼女との結婚をご了承ください!」
ガラリと態度を変えた隠岐さんが頭を下げた。
私はおろおろと、こんな立派な男性が頭を下げるのをただ見ているしかできず。
「隠岐さんがそういう気持ちなら、多賀見としてはやぶさかではありません」
伯父様がにっこりと微笑む。
……私以外の人達の間になごやかな空気が漂い始めたけれど、ここで聞かないと一生後悔する。
私は、おずおずと手を挙げた。
「あのう。私にはなんのことだか、さっぱり……」
限りなく当事者っぽいのに私だけ置き去り。
いいかげん、誰か説明してほしい。
状況を把握していない私を二人が見て、それから伯父様と隠岐さんで目を見交わしてる。
伯父様の顔がますますいい笑顔になる。
この顔知ってる、挑戦をそそのかすときの表情だ。
「そうだな。隠岐さん、まずは私の家に通って、ひかるを口説き落としてごらんなさい」
対する隠岐さんも好戦的な笑みを浮かべている。
「そうさせて頂きます」
口説くってどういうことー?!
……ええと。私の気持ちは無視ですか?
伯父様の穏やかな、しかし持ちかけたのが多賀見だとしたらかなり傲慢な台詞に、なぜか強気だった隠岐さんの表情が歪む。
「俺は……っ、」
動揺しているらしい。頑張れ、隠岐さん。
ん?
なんで私、彼を応援してるんだ。
立場が逆転したらしく、伯父様は強気で言いきった。
「ひかるは我が家にとって大事な女性だ。多賀見の名前がほしいだけの男に、やるわけにはいかない」
「痛っ」
伯父様が宣言された瞬間、さっきより強く握り直された。
隠岐さんの手は震えていた。……どうして?
「隠岐は多賀見を取り込むつもりはない。俺はひかるがプロジェクトに参加しなくても彼女が欲しい。多賀見さん、お願いします! 彼女との結婚をご了承ください!」
ガラリと態度を変えた隠岐さんが頭を下げた。
私はおろおろと、こんな立派な男性が頭を下げるのをただ見ているしかできず。
「隠岐さんがそういう気持ちなら、多賀見としてはやぶさかではありません」
伯父様がにっこりと微笑む。
……私以外の人達の間になごやかな空気が漂い始めたけれど、ここで聞かないと一生後悔する。
私は、おずおずと手を挙げた。
「あのう。私にはなんのことだか、さっぱり……」
限りなく当事者っぽいのに私だけ置き去り。
いいかげん、誰か説明してほしい。
状況を把握していない私を二人が見て、それから伯父様と隠岐さんで目を見交わしてる。
伯父様の顔がますますいい笑顔になる。
この顔知ってる、挑戦をそそのかすときの表情だ。
「そうだな。隠岐さん、まずは私の家に通って、ひかるを口説き落としてごらんなさい」
対する隠岐さんも好戦的な笑みを浮かべている。
「そうさせて頂きます」
口説くってどういうことー?!
……ええと。私の気持ちは無視ですか?