【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
「ねー。ひかるちゃんがもしセレブならどうする?」
玲奈ちゃんが私と同じことを考えたようだ。
「勿論、ヒルズガーデンを貸切だね」
「言うと思った!」
玲奈ちゃんがはしゃぎ、あれという顔になった。
「TOKAIヒルズの庭園………って、誰だっけ。たしか、あそこ叔父様のライバルの方が設計されてたよね?」
ライバルと書いて、『友』と読むというか。
「お父さんが『アイツは凄い』って認めてる方なの」
そして私は彼の大ファン。
そうなんだ、と彼女からのあいずちが返ってきた。
海外でも評判の高い腕利きの庭師が作ったとあって、いまやヒルズの屋上庭園は海外のVIPが訪れたい日本の名所ベストテンに入る。
つくられたばかりだというのに国賓を招いてのお茶会や、セレブ同士のお見合い会場にも使われているという。
まさに名園中の名園になってしまった。
おかけで予約は三年ほど先まで埋まっているそうな。
お行儀悪く私は敷物のうえに寝っ転がった。
枝枝のなかに青空が散りばめられており、風に撫でられてサヤサヤと葉擦れの音が私達に届けられる。
いい気分。
「ねえ、ひかるちゃん?」
「うーん?」
「口はばったいけれど、『将来の人間国宝』と噂されている叔父様に頼めば、ヒルズガーデンの特別鑑賞券を手にいれることはできるんじゃない?」
父に頼んで、渡会グループの関係者しか持っていないあのプラチナチケットを手に入れて。
それは正直何十回も考えた。
どんな庭園なんだろう。
彼のデザインからして、景観と調和しつつ森の中にいるような気分にさせてくれるはず。
が。
「庭園の設計者が『三ツ森大樹のライバル』っていうのが問題なのよね」
……父とガーデンプランナー氏は互いの能力を認め合っている。
別に敵ではないから堂々としていればいいはずだけれど。
世間様に、敵情視察と思われてしまうのはよろしくない。
やいのやいの言われて良好な関係だったのを私のせいで壊すわけにはいかない。
「あぁー……、TOKAIヒルズの屋上庭園に行きたいなぁ……貸切にしたい……」
つい、つぶやいてしまった。
玲奈ちゃんが私と同じことを考えたようだ。
「勿論、ヒルズガーデンを貸切だね」
「言うと思った!」
玲奈ちゃんがはしゃぎ、あれという顔になった。
「TOKAIヒルズの庭園………って、誰だっけ。たしか、あそこ叔父様のライバルの方が設計されてたよね?」
ライバルと書いて、『友』と読むというか。
「お父さんが『アイツは凄い』って認めてる方なの」
そして私は彼の大ファン。
そうなんだ、と彼女からのあいずちが返ってきた。
海外でも評判の高い腕利きの庭師が作ったとあって、いまやヒルズの屋上庭園は海外のVIPが訪れたい日本の名所ベストテンに入る。
つくられたばかりだというのに国賓を招いてのお茶会や、セレブ同士のお見合い会場にも使われているという。
まさに名園中の名園になってしまった。
おかけで予約は三年ほど先まで埋まっているそうな。
お行儀悪く私は敷物のうえに寝っ転がった。
枝枝のなかに青空が散りばめられており、風に撫でられてサヤサヤと葉擦れの音が私達に届けられる。
いい気分。
「ねえ、ひかるちゃん?」
「うーん?」
「口はばったいけれど、『将来の人間国宝』と噂されている叔父様に頼めば、ヒルズガーデンの特別鑑賞券を手にいれることはできるんじゃない?」
父に頼んで、渡会グループの関係者しか持っていないあのプラチナチケットを手に入れて。
それは正直何十回も考えた。
どんな庭園なんだろう。
彼のデザインからして、景観と調和しつつ森の中にいるような気分にさせてくれるはず。
が。
「庭園の設計者が『三ツ森大樹のライバル』っていうのが問題なのよね」
……父とガーデンプランナー氏は互いの能力を認め合っている。
別に敵ではないから堂々としていればいいはずだけれど。
世間様に、敵情視察と思われてしまうのはよろしくない。
やいのやいの言われて良好な関係だったのを私のせいで壊すわけにはいかない。
「あぁー……、TOKAIヒルズの屋上庭園に行きたいなぁ……貸切にしたい……」
つい、つぶやいてしまった。