【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
「雑誌でしか見たことのないレストラン予約してるし」

「美味しかった?」
「最高だった……」 
 
 口の中に入れた途端、溶けるんだよ。
 なのにジューシィなんだよ。昇天するかと思った。

「他には?」 

 沢山ある。

「混んでるから行くの諦めてた美術展、貸し切りだったんだよ! コンサート、いい席おさえてくれてるし!」

「いい仕事するねー」

『お嬢様、お手をどうぞ』
 差し伸べられる手。
 洗練されたエスコートにまごつく私に、安心させるように優しく微笑みかけてくる。

『女性に頼られると男は自尊心が満たされるんだ。単純な生き物だろう?』

 真剣な表情で言い放ち、さりげなく私の腕をとって自分の腕に絡ませるのだ。
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