【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
プロポーズはあの場所で
当日、護孝さん自身が車を運転してきた。
颯爽と降りてきて、私がかかえた荷物を見ると後部座席のドアをあけてから助手席も開けてくれた。荷物を受け取ってくれて後部座席に積んでくれた。
「ひかる、綺麗だよ」
護孝さんは目を細めて称賛してくれた。
「好きな女性が、自分の贈ってくれたものだけ身につけてくれている。こんなに嬉しいことはない」
ご指摘いただいた通り、彼が贈ってくれた物を身につけてる。ランジェリーも、アクセサリーも、香水も。
彼の贈ってくれたものが私という女を形作っている。
……これって、私にくれたモノを通して、私の裸を護孝さんに視られているような。
「ありがとう、ございます」
エロティックなことを考えついてしまうと、護孝さんの視線に体が勝手に反応する。
気をつけないと、体がどんどんトロけてきまいそうだった。
車が動き始めると私は、なめらかにハンドルを操作する彼の横顔をちらちらと盗み見た。
涼やかな目元に、きりりとした口元。
顔の形も額や鼻梁も絶妙なバランスで配置されている。
美しいという表現しか思いつかないが、柔弱な雰囲気はない。
高速道路から見えてきたのは、TOKAIヒルズだった。
「せっかくだから再会した場所がいいかなと思ってね」
護孝さんの声はおちついていた。
一人で舞い上がってて恥ずかしいけれど、これからのことを考えるとソワソワしてる。でも、こういった反応は圧倒的多数だと思う。
地下のパーキングでボーイにキーを渡す。
車が走り去り、カーゴで荷物が運ばれていくと護孝さんは私を促した。
やがて、低層階用のエレベーターを降りれば屋上庭園が広がっていた。
あの日と同じ快晴。
「今日は俺が貸し切りにしたよ」
微笑みかけられ、ぽーとなる。
ついで、あることに気がついた。
「あの日って貸し切りだったんですか?」
聞くなり、護孝さんは吹き出した。長いこと体を震わせていた。
なによう。
やがて。
護孝さんは涙を溜めた目で私を見つめた。
「多賀見家が総出でひかるの見合いをセッティングしたがるわけだ」
むっとして言い返した。
「別に! あのときは恋人が欲しいと思ってませんでしたし!」
ぐい、と腰を抱き寄せられる。
「よかったよ、貴女の初めての相手が俺で」
そうでなかったら、相手の男は気の毒な結末になったろうからね。
護孝さんの目に奇しいかぎろいがある。
最近気づいたけれど、護孝さんは結構ヤキモチやきだ。
私のなにげない一言で魔王化してしまう。
彼が悪の権化に変身するとどうなるのか。
それはもう、セクシー、フェロモン、エロティックのフルコンボである。
黒い瞳がキラめき、鼻血ものの立居振る舞いに、口説きテク。
それらを経験値の低い私にぶつけてくるのだ。
視線や言葉攻めだけで、腰砕けになったことが何回あるか。
数えようと思い返しては悶える羽目になるので割愛。
「フェロモン攻撃加減してください、もうメロメロだから!」
触らぬ地雷に祟りなしだ。
これ以上無理。
私は体を縮こませた。
が。
はぁ、と熱い息を吐かれる。
「ひかる……。そんなこと言われたら、余計堕としてやりたくなるだろう」
耳元でささやかれ、魂が口から出かけました。
颯爽と降りてきて、私がかかえた荷物を見ると後部座席のドアをあけてから助手席も開けてくれた。荷物を受け取ってくれて後部座席に積んでくれた。
「ひかる、綺麗だよ」
護孝さんは目を細めて称賛してくれた。
「好きな女性が、自分の贈ってくれたものだけ身につけてくれている。こんなに嬉しいことはない」
ご指摘いただいた通り、彼が贈ってくれた物を身につけてる。ランジェリーも、アクセサリーも、香水も。
彼の贈ってくれたものが私という女を形作っている。
……これって、私にくれたモノを通して、私の裸を護孝さんに視られているような。
「ありがとう、ございます」
エロティックなことを考えついてしまうと、護孝さんの視線に体が勝手に反応する。
気をつけないと、体がどんどんトロけてきまいそうだった。
車が動き始めると私は、なめらかにハンドルを操作する彼の横顔をちらちらと盗み見た。
涼やかな目元に、きりりとした口元。
顔の形も額や鼻梁も絶妙なバランスで配置されている。
美しいという表現しか思いつかないが、柔弱な雰囲気はない。
高速道路から見えてきたのは、TOKAIヒルズだった。
「せっかくだから再会した場所がいいかなと思ってね」
護孝さんの声はおちついていた。
一人で舞い上がってて恥ずかしいけれど、これからのことを考えるとソワソワしてる。でも、こういった反応は圧倒的多数だと思う。
地下のパーキングでボーイにキーを渡す。
車が走り去り、カーゴで荷物が運ばれていくと護孝さんは私を促した。
やがて、低層階用のエレベーターを降りれば屋上庭園が広がっていた。
あの日と同じ快晴。
「今日は俺が貸し切りにしたよ」
微笑みかけられ、ぽーとなる。
ついで、あることに気がついた。
「あの日って貸し切りだったんですか?」
聞くなり、護孝さんは吹き出した。長いこと体を震わせていた。
なによう。
やがて。
護孝さんは涙を溜めた目で私を見つめた。
「多賀見家が総出でひかるの見合いをセッティングしたがるわけだ」
むっとして言い返した。
「別に! あのときは恋人が欲しいと思ってませんでしたし!」
ぐい、と腰を抱き寄せられる。
「よかったよ、貴女の初めての相手が俺で」
そうでなかったら、相手の男は気の毒な結末になったろうからね。
護孝さんの目に奇しいかぎろいがある。
最近気づいたけれど、護孝さんは結構ヤキモチやきだ。
私のなにげない一言で魔王化してしまう。
彼が悪の権化に変身するとどうなるのか。
それはもう、セクシー、フェロモン、エロティックのフルコンボである。
黒い瞳がキラめき、鼻血ものの立居振る舞いに、口説きテク。
それらを経験値の低い私にぶつけてくるのだ。
視線や言葉攻めだけで、腰砕けになったことが何回あるか。
数えようと思い返しては悶える羽目になるので割愛。
「フェロモン攻撃加減してください、もうメロメロだから!」
触らぬ地雷に祟りなしだ。
これ以上無理。
私は体を縮こませた。
が。
はぁ、と熱い息を吐かれる。
「ひかる……。そんなこと言われたら、余計堕としてやりたくなるだろう」
耳元でささやかれ、魂が口から出かけました。