友達の夜、恋人の朝、あいまいな夜明け



…私のこと、好きだったの?



胸が詰まるような想いだった。



私はタカユキの腕に抱きすくめられながら、いままでの出来事を思い出した。




急に映画に誘われた日曜日…

なぜか後輩の男の子をつれて、3人で行った海水浴。

二人で試験勉強して過ごした、クリスマスイブ…



意識していなかったけど、



タカユキは私の事を大切に思っていてくれたのかもしれない。




遅いよ、タカユキ…。


私今、彼がいるんだよ?


「タカ…ユキ…ありがとぉ・・・・」



私はとぎれとぎれにタカユキの耳元でささやいた。


ひとつになったまま、唇が腫れてしまいそうなほどキスした。





タカユキのキスマーク、明日彼に会ったとき、どうやってごまかそう。


ごめん。




でも、今、タカユキとのこのときを大事に胸に刻みたいの。



もっといっぱい、私をせめて。


私にあなたを刻み付けて。





きっとこれが、最初で最後になるから・・・。






タカユキ、私の大切な友達。




タカユキ、ずぅっと友達でいたいよ。


友達でいれば、別れなくて済むんだよ。










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