アタシと秘密の王子さま
「ぁははははーっ」
彼は明るく笑って、あたしを抱きしめた。
「俺たち、同じ気持ちだったんだな。よかったぁ…おれ、こんな緊張したの初めてだよ」

「嘘でしょ?だって鳥越くん、モテるし…」
バツが悪そうに、彼が笑う。
「その話は今はしたくない。君と今、恋人同士になったばかりなのに」

「恋人…」
カーッと顔が熱くなった。
彼がクスクス笑う。

「すごい真っ赤だよ。俺たち今、両思いだって知ったでしょ。恋人同士でいいんだよね?」

恋人?カレシ?
あんなに思いつめていたのに、たった一言で心がこんなに舞い上がるなんて…
笑っちゃうくらい、単純だな、あたし。

「あたし…恋愛経験値0だよ…年齢=彼氏いない歴だよ…そんなのでいいの?」

「初カレなんて光栄です」

鳥越くんがまたキスをした。
今度はゆっくり、優しく…
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