アタシと秘密の王子さま
ついに我慢の限界にきて、帰ろうとしていたあかねを、駅の前でつかまえて、強引に部屋まで連れてきてしまった。

拉致だよ、これじゃあ。
通報されてもおかしくないくらいだ。

今、彼女は俺の腕の中にいる。
キスだけでこんな風になるなら、その先に進んだ時には、どんなことになるんだろう…

腰のあたりからぞわぞわと、欲望が這い上がってくる。
ダメだろ、俺。いままで寄ってきた女とあかねは違うんだから…

あかねは、恋愛経験値0だと言っていた。
初カレなんて、光栄なことだ。
俺も初めて、これが恋なんだと実感する。

だからこの気持ちを、大切に育てていきたい。

あかねを抱き寄せて、そっとキスをする。彼女は本当に慣れてないんだ。
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