アタシと秘密の王子さま
「賢が入れてくれたのが、一番美味しい」
にっこり笑う。
「いつでも、君のために淹れてあげるよ」

うふふっと、笑う彼女。
「ありがとう、嬉しいな…」

そんなに喜んでもらえるなら、毎日だって淹れてあげるから。

『こらぁ、賢!今日の稽古サボって、何やってんの!』

二人で食事をし、一息ついた頃、電話でいきなり美花さんに怒られた。
俺の隣で、あかねが緊張している。

「すいません、美花さん。お陰で、ここのところのトラブルが、色々解決しましたよ」
『トラブル?』

「ああ俺の個人的な問題ですから」
あかねを見ると、申し訳なさそうに、背筋を正していた。
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