アタシと秘密の王子さま
『小林はどうしたの?今週あの子、ずっと塞ぎ込んでたけど、あんた、なんかしたの?』
鋭いなぁ…
俺はあかねの肩を抱き寄せた。
また体がこわばる。

「あかねは大丈夫です。元気になりましたよ。
じゃ、美花さん、俺たちの邪魔しないでくださいね」

「ちょっと賢!それじゃ、稽古休んで、ここにいるって、ばれちゃうじゃない!」

むきになって、怒る顔もかわいい。
「いいんじゃないの。美花さんも、あかねが元気になってくれたら、安心するからさ」

安心したら、俺も眠くなってきた。
今日はこのまま、あかねを抱きしめて眠ろう。

翌朝は、先週の朝と同じように、テーブルにクロワッサンとブラックティーが並んだ。
ただ違うのは、あかねが俺の恋人で、同じベッドで目覚めたということ。
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